【超初学者向け】社会学とは何かわかる本・3選

勉強方法

 社会学という学問をご存じですか?社会学というと、高校までの社会科の教科を想像される方が多いですが、それとは違います。「社会学」という名前の、独立した学問があるのです。

 社会学を学ぶことのできる大学は、日本に多くあります。しかし、一方で、そのような大学の学科に行っていない(行っていなかった)けれど、社会学に興味がある、社会学がどんなものか知りたい、といったニーズが、ある一定数はあるはずです。将来の進路に悩む高校生の中にも、そのような気持ちを抱いている人は少なくないでしょう。

 そのようなときに便利なのは、入門的な本、つまり入門書です。この世に存在する多くの学問領域において、こうした”入門書”が存在します。社会学にも、そういった入門書と呼ばれるような本が、数多くあります。

 しかし、社会学は非常につかみどころのない学問です。なにか体系だった理論図式があるわけでもなく、それぞれ個別の話の、学ぶ順番なども特にありません。正直、社会学の入門書を読んでも、社会学が何をやっている学問なのか、よくわからないという状況になるのが、おそらく普通だと思います。

 また、入門書と思って読んだら、なにかとても難しかった、という場合も多くあるでしょう。これは社会学に限った話ではないですが、初学者用に書かれた本というのは、往々にして読みづらく、簡単に説明してくれているようで、まったく理解できないものです。

 そこで、ここでは、今までまったく社会学の中身にふれたことがない人、つまり「完全な初学者」が読んでもわかり易いような、社会学の入門書をいくつかご紹介します。

 先ほども言いましたが、一冊読んだからといって、社会学がどんなものなのかを把握することは、残念ながら非常に難しいと言わざるをえません。しかし、「社会学が何かわかったような気に少しなる」ことは出来るかもしれません。そして、それは全くの初学者だったところから考えると、ここには明らかな大きな差があり、あなたの社会学への理解が、一歩進んだということになります。

 それでは、わたしのおすすめする超初心者向けの社会学入門書を、いくつか見ていきましょう

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金菱清、2014、『新・体感する社会学―Oh! My Sociology』

 一番お勧めするのが、この本です。そこまで文字数も多くなく、さくさく読めると思います。章ごとに、社会学にまつわるいくつかのキーワードを、講義形式(つまり口語体)で説明してくれます。

 社会学という何を扱っているのかよくわからない名前の学問が、実は私たちの生活の中にあふれるような事柄を扱っているということが、この本を読むことで体感できると思います。

 途中、少し難しい部分があるかもしれませんが(「貨幣」の話とか)、そういったところは読み飛ばしながらでも構いません。

 おそらく、この本を読んでみて、「なんか面白いな」と思えれば、あなたは社会学に向いているかもしれませんし、「いやあ、なんかこういうのはあんまだな」と思ったら、もしかすると、もっと向いている学問があるように思えます。そうした「最初の判断材料」としてこの本を使ってみるのもおすすめです。

 たぶん、中学生くらいなら、おそらく読むことが出来るように思えます。

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橋爪大三郎、2014、『面白くて眠れなくなる社会学』

 面白くて眠れなくなる○○というシリーズがあるようですが、それの社会学バージョンです。これを書いている橋爪大三郎氏という人は、社会学界隈の中ではかなり大御所の方なのですが、ここではあまり関係ありません。

 この本は、うえで紹介した『新・体感する社会学―Oh! My Sociology』よりも、もしかするともっと読みやすいかもしれません。扱っているテーマはかぶっているところもありますが、この本は「社会学を教えてくれる」というより、もっと広く「社会というものについて考えてみる」といった内容です。

 その意味で、社会学を少しでも学んだことがある人にとっては、少し、もしくはそれなりに物足りないものになる可能性がありますが、一方で超初学者の方にとっては、まず最初に読む本としておすすめできるかと思います

 しかし、同時に、読み終わった後に「社会学とは何かが分かった」という気になるかというと、それも少し薄いかなと思います。なので、『新・体感する社会学―Oh! My Sociology』とセットで読むのがいいかもしれません。読む順番は、どちらからでも構いません。

 ちなみに、この本に関しては、むしろ社会学になんか興味がない人が読んだ方が、面白く読める可能性があります。自然科学分野にどっぷりつかってきた方なんかにも、最初に選ぶにはおすすめの一冊です

ケイン樹里安・上原健太郎編、2019、『ふれる社会学』

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北樹出版

 これは、かなり最近出た本です。上の二つに比べると、かなり「大学などで学ぶ社会学」の感じに近くなっています

 入門書などによくありがちなのが、章ごとにそれぞれ書く担当の人がいるというパターンなのですが、この本もその方式で書かれています(逆に言うと、上二つの本は、一冊まるごと一人の著者が書いています)。

 この本の特徴は、そのそれぞれの章を書いている著者たちが、みな比較的若手の研究者で構成されているという点です。これがいいことなのか微妙なことなのかはよくわかりませんが、少なくともそういったコンセプトで作られて本であるようです。

 それぞれの章で扱われているのは、やはり「私たちの生活の中で、私たちが一度はふれたことがあるような事柄」たちです。なので、読み始めはかなりすんなりいけると思います。しかし、それぞれの章で、途中から、それらのテーマを「社会学的に考えた際にどうなるのか/それをかつて考えた社会学者はどんなことを言ってきたのか」というのが織り込まれてきます(社会学の本だから当たり前なのですが・・)。

 なので、最初は親しみやすい話からスタートしたのに、急に海外の学者の名前が出てきて、少しいかつい専門用語が出てくる、という風になっていきます

 実は、社会学関係の入門書は、とにかくこういう風に感じてしまう本が多いです。扱っているテーマが非常に親しみやすいがゆえに、最初はとても読みやすいんだけど、知らない間にめちゃくちゃ難しい話になっていた、なんてことが頻繁に起こります。

 大学で社会学を学んでいる人であれば、そのくらい頑張って乗り切ってほしいところですが、しかし、社会学がどんなものかなと気になっているような超初学者の方々には、なかなそれも厳しい話かなと思います。

 その点で、この「ふれる社会学」は、上記のような構造を持つ社会学の入門書の中では、比較的挫折せずに読み通すことが出来る入門書かなと思います。本自体は、バリバリ学生が使うことを想定しているみたいですが、初心者の方も、それなりに読みやすいと思います。

 この本を読んで「面白い」と思えたなら、おそらくあなたは社会学に向いている人かなという感じです。

さいごに

 社会学に関係する本は、入門書だけでも、わけのわからないくらい多くあります。その中で、今回は3冊を紹介してみました。もちろん、超初心者向けの入門書は他にもありますので、そちらの方を紹介する記事も、いつか書くかもしれません。

 また、一番大事なことは、とにかく読んでみることです。仮にめちゃくちゃ難しい意味の分からない本に出会ってしまっても、それを実際に読んでみるというのが、とても大事なことなのです。

 みなさんも、もし社会学に興味がおありなら、ぜひここで挙げた本でもいいですし、ほかの本でもなんでもいいので、まずは何か一冊、その最初のページだけでも、読んでみてくださいね。

 このサイトでは、大学院進学を目指す方にお役立ちの情報を多数発信しています。ここで紹介した本に興味をもち、もっと難しい社会学の本を読んでみたいという方は、↓の記事で紹介されている本を読んでみることをおすすめします!

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