【院試対策】社会学の中級者向け”入門書”たち・3選【さらなる高みへ】

勉強方法

 以前このサイトで、超初学者向けの社会学入門書を紹介するという記事を書きました。

 さて、この世には、「入門書」であることを謳いながら、もしくはそのようなものであると思われるような立ち位置にありながら、実際に初学者の方が呼んでも、「なんだこれ」という状況になる本がたくさんあります。もちろん、社会学の場合も同様です。

 そこで、ここでは、「入門書」的なタイトルがついているにもかかわらず、実際は初学者向けではなく、むしろ”中級者向け”であるような社会学の本3冊紹介してみたいと思います!

 なお、ここでいう”中級者”とは、社会学の基礎的な部分を一通りやり終わった人、学部生だったら2年生以降、または、社会学にまつわる本を数冊くらい読んだことのある人、くらいの人々を想定しています。
 なので、たとえば社会学関係で院進したい人や、社会学をもっと知りたい!という人などに有効な本かもしれません!

 社会学で院試を受ける人のための勉強法やおすすめの教材をまとめた記事もありますので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね!

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『社会学入門〈多元化する時代〉をどう捉えるか』(稲葉振一郎、2009)

 まずはこの本。タイトルが、まんま『社会学入門』となっていますが、実際のところ、この本を初学者が読むのは、おそらくかなり厳しいと思われます。社会学という学問を、経済学などのほかの分野と比較しながら説明していくという本であり、社会学がそれらの他の学問と違ってどのような特徴を持っているのか、ということを整理して知ることが出来ます。

 しかし、その議論を飲み込むには、ある程度社会学がどのようなものかを知っておかないと、「たしかにそうだよなあ。社会学って経済学こういうところが違うよなあ」という風に実感して読むことが出来ません。逆に言えば、この本を読むと、社会学のみならず、むしろ経済学的な思考をも少し勉強することが出来ます

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『社会学入門・中級編』(稲葉振一郎、2019)

 そして、10年後、その続編が出ることになります。その名も、『社会学入門・中級編』です。この本に関しては、正直なところ、先の『社会学入門』よりも、より「社会学の入門書」としての色彩を欠いている、と言わざるを得ないかもしれません「社会学の入門書」というよりも、「著者が”社会学”という学問について近年考えていること」といったほうが近いです。

 また、この本を読むには、この本だけでなく、「昨今の日本の社会学界隈で発売された他の教科書や本でなされている議論」について、多少なりとも知っていることが必要になります。具体的には、これらの本たちです。

『マンゴーと手榴弾――生活史の理論』(岸政彦、2018)

『社会学はどこから来てどこへ行くのか』(岸政彦・北田暁大・筒井淳也・稲葉振一郎、2018)

『質的社会調査の方法――他社の合理性の理解社会学』(岸政彦・石岡丈昇・丸山里美、2016)

『社会学入門――社会とのかかわり方』(筒井淳也・前田泰樹、2017)

 これらの本の議論を知っていていないと、この『社会学入門・中級編』を理解するのは困難です。そんなに本を読めないよ!という感じかもしれませんが、ここで挙げたこの4冊も、それぞれ社会学のことを知るにはピッタリな本です。

 特に、下の二冊『質的社会調査の方法――他社の合理性の理解社会学』『社会学入門――社会とのかかわり方』は、純粋な社会学の入門書として、とてもよくできている良書です!『社会学入門・中級編』を読むよりも先に、まずはこれらの本を読んでみるといいかもしれません!

『社会学とは何か――意味世界への探求』(盛山和夫、2011)

 最後の一冊はこちら!どの分野にも「○○とは何か」といった題名の本があると思いますが、これもその類の本。もし、社会学とは何かを知りたくて、初学者がいきなりこれを読んでも、たぶんよくわからないまま終わるだけだと思われます。むしろ、大学などで社会学を学んでいるけれど、結局のところ社会学って何なんだろう…?といった疑問を持つ人が読むべきな本

 初学者には難しいだけで、本自体は極めて良書だと個人的には感じています。なぜかというと、「○○とは何か」という問いを立てて、文章中でそれにしっかりと答えを出しているからです。そんなの当たり前でしょ!と思われるかもしれませんが、実は、○○とは何か、という問いを立てておいて、結局それに明確な答えを出さないまま終わる、という構造の文章や書籍は意外にも多いのです。そうしたものと比べれば、この本は遥かに優れているように思います(「社会学とは何か」という問いに対する筆者の答えが妥当性があるものなのかどうかは置いておいたとしても)。

さいごに

 ここでは、実は中級者向けの社会学入門書をいくつか挙げてみました。ここに挙げきれなかったですが、学問の世界には、入門書っぽい見た目をしておきながら、中身がなかなかハードなものが、たくさんあります。ただ、そのような難しめの”入門書”をいきなり読むことも、何かの成長にはつながると思います。勉強頑張っていきましょう!

 ↓では、院試の英語試験、特に多くの大学院で必要になるTOEFLやTOEICの対策やおすすめの教材を紹介しています。ぜひご覧ください!

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