大学院入試の志望校の決め方:学校名ではなく先生で選べ?

大学院入試対策

 今回は、文系大学院への進学を決めた後、どのように志望校・志望研究科を決めていけばいいのかについて、みていきます。大学院への進学、つまり大学院修士課程(前期博士課程とも言ったりします)に進学することを決めた時、まず一番に考えるのは、どこの大学院に行くのか?という点です。言ってしまえば志望校。多くの人にとって、“志望校”なんて響きは大学受験以来なわけですが、まずはここを決めないと話が始まりません。私が実際に院試を経験したうえで、感じたことをもとに、見ていきたいと思います。

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ふたつの道

 大学院への進学の仕方には、大きく分けてふたつあります。一つは、自分のいま在籍している大学の大学院にそのまま進むケース。もう一つは、自分の今在籍している大学ではない、別の大学の大学院に進むケース。私は後者の、別の大学の大学院の受験をしたケースでした。

 最初に言っておくと、自分の今行っている大学の大学院が、進学してもいいなと思えるところだったら、そのまま進学しちゃった方が、いいと思います。環境も大きくは変わりませんし、教授陣たちとのつながりや関係性もある程度あるところからスタートできます。ただでさえ精神的に厳しくなることが多い院生にとって、いろいろな環境が変わらないということは、思っている以上に大きなことではないでしょうか。入試に関しても、そのまま進学する方が、面接なども有利かもしれませんし、大学によっては学部生の内部進学限定で、一次試験の筆記試験が免除になるといったケースもあります。その点でも、そのまま行っちゃった方が有利です。

 しかし、今通っている大学の大学院には進学したくないという場合もあると思います。その時にはいろいろな理由があるのだと思いますが、そもそも“行きたい大学院”とは、どのように決めることが出来るのでしょうか。

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どんな先生に付きたいか

 それはずばり、そこにどんな先生(教授・准教授)がいるのか、という観点です。言い方を変えれば、どこの大学院に行きたいかよりも、そこに誰がいるか、つまり“誰が自分の指導教官になってほしいか”、ということのほうを先に考えるべきだということです。

 修士課程に進学すると、その最終的な成果として修士論文を執筆するわけですが、そこでは自分の指導教官に主に指導してもらうことになります。そのため、どの先生に付いて研究をするか、ということが非常に重要になるわけです。

 アカデミックな世界の事情をあまり知らない人からすると大げさに聞こえると思いますが、指導教官と院生の関係は、“先生と生徒”というより、“師匠と弟子”といったような関係の方に近しいものがあるようです。たとえば、大学の先生が院生時代を回顧して話をするときに、指導教官を指して「わたしのお師匠さんが~」を話す時が割とあったりしますが、たぶんあれは比喩ではなく、ほんとにそういう関係だったんだと思います。

先生を選ぶ基準

 では、どんな先生が自分の師匠としてふさわしいのでしょうか。判断の基準はいろいろあると思います。ここではふたつ挙げます。

 一つはその先生の研究分野や研究手法、もう一つは先生との相性です。文系の学問の場合(といっても私は社会学しかやったことがないので“社会学の場合は”ですが、)先生の研究分野・手法が、院生のそれと必ずしも一致しているというわけではないように思いますが、やはり指導教官を選ぶ上では、それなりに気にするところではあります。自分がやりたい領域と違いすぎることをやっていると、先生的にも「なんでも私のところに?」となってしまい、入試でも落とされるかはわかりませんが、少なくとも疑問は持たれるでしょう。

 二つ目の、“先生との相性”も、それと同じくらい、いや、むしろより大事かもしれません。正直、指導教官が自分の研究テーマに精通していなくても、それはそのテーマに精通しているほかの先生に連絡を取ったり、聞きにいったりすればいいだけです。それよりも、人間的にあまり合わない人が、定期的に会って、自分の研究成果を報告し、それに対してコメントをしてくれるという立ち位置にいるというのは、案外、かなりしんどいことかもしれません。

 専門分野は研究手法に関しては、研究者たちのホームページや著書・論文、Research mapなどをみれば、それなりにはわかります。しかし、人間性については、業界内でのうわさなどがある人もそれなりにいるのだと思いますが、これは最終的には実際に会ってみないとわかりません。その確認も含め、研究室訪問といったようなことを行う必要が出てきます。

まとめ

 これらをふまえると、次のようなことが言えます。①今行っている大学の大学院が行ってもいいところなら、そのまま行っちゃった方がいい。②いろいろな理由で別の大学の大学院に行きたい場合は、専門分野や研究手法、そして何より人間として自分と合うかどうかという観点で、教授・准教授を選ぶ

 つまり、ほかの大学の大学院に行く場合は特にですが、一般に上のレベルだとされている大学の大学院に行くことが、必ずしも良いというわけでもない、ということです。その大学院のレベルよりも、自分の研究分野の第一人者がそこにいるから、会ってみてその人のもとに指導してほしいと感じたから、といった理由で大学院を選ぶ方が、もしかすると後々に幸せな大学院生活を送ることが出来るかもしれません(もちろん、一般的に上のレベルだとされている大学の大学院に進学するメリットも数多くあるのだと思います)。

 また今回は触れませんでしたが、たとえば住んでいる場所からの距離や、金銭的な問題(往々にして私立の方が諸々の料金が高額です)なども、もちろん志望校選びにはかかわってくると思います。様々な制約の中で志望校は選ばれるものだと思いますので、この記事に書いたことも参考にしながら、ぜひ考えてみてください。

補足:志望校の数について

 最後に、志望校の数について少し書いておきます。これも人それぞれのことなので、一概には言えませんが、大学院の受験では、大学受験の時ほどはたくさんの学校を受けることはあまりありません

 もし今行っている大学の大学院にそのまま行くのであれば、おそらく高い確率で合格するので、そもそも滑り止めを受けない人も多いと思います。また、ほかの大学の院にいくとしても、そこまで多く受けることはしないでしょう。というより、上記のようなプロセスで志望校を絞っていくと、結局残るのは数校のみになる場合がほとんどのように思います。

 私の場合は、大学院入試のことがよく分かっておらず、しかも大学受験の時と違って、“浪人”のようなことが出来ないなあと感じていたため(もちろん本当は出来ないことはありませんし、実際そのような人もたくさんいるのだと思いますが)、とりあえず受けれるところは受けようとして、5個くらいの研究科に出願しました。

 これは後から判明したことですが、これは結構多い方みたいです(私の周りの話です)。大学院の受験も、大学受験と同様、受験料などでそれなりにまとまったお金が必要なので、そういう意味でも、あまりこういう受け方はお勧めしません。

 ただ、精神的に少し楽になった気がするというのと(何回かチャンスがあるから)、何回も出願書類を作るため、そのたびに研究計画書がブラッシュアップされていき、それが結果的に本番の二次試験で役に立ったような気はしています(研究科によって出願の時期はバラバラなので、書類を一気に5個作ったわけではなく、これがこの週までで、あれがあの週までで、みたいな感じで作っていました)。ぜひ、参考にしてみてください。

 このほかにも大学院入試に関する様々なコツをまとめています!まずは↓の記事を見てみてください!

【2021年】大学院に行きたい人に必要なコツ7選
大学院入試って何を対策すればいいの?この記事では、過去問の入手方法や、英語試験の対策、面接でのコツなど、院試にまつわる対策やコツを総合的な視点から紹介していきます。大学院を受けてみようと思うそこのあなた、必見です!
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