この記事では、文系大学院入試の、入試本番の筆記試験・面接について、気を付けたほうがいいことや、ちょっとしたコツなどを私自身の経験もふまえて紹介していきます。筆記試験や面接試験は、一度きりの勝負です。ここで負けないように、しっかりと対策していきましょう!
入試の流れ
大学院の入試は、その研究科ごとにバリエーションはあると思いますが、基本的には、一次試験として英語と専門科目の筆記試験があります。そして、それが通ると、二次試験として面接があります。それをも突破すると、はれて合格です。ここでは、それぞれの試験について、すこし見ていきましょう。
一次試験――英語と専門科目
英語
英語に関しては、研究科独自の問題を解かされる場合と、TOEFLなどの外部試験を解かされる場合、またそういった外部テストをあらかじめ受けておいて、そのスコアを出願時に提出する場合と、いくつかあります。自分の受けたい研究科がどういう方式なのかは、しっかりとチェックしておきましょう。
具体的な勉強法などについては、↓の記事でお伝えしています。よろしければご覧ください!
専門科目
次に、専門科目についてです。解く上でのコツとしては、ずばり“書きっぷり”です。文系の場合はとにかく論述が多いのもあり、実際にどのような配点で部分点が加算されているのか(もしくはされていないのか)など、よくわからないことも多いです。
そんななかで、自信をもって回答できる問題に関しては、それでいいのですが、全然わからないとか、おぼろげにしかわからない、みたいな問題にぶち当たることも多いでしょう。そんな時には、とにかく“書きっぷり”が重要だとわたし自身は思います。とにかく、明らかに間違いなことは避けながら、それについてさもめちゃくちゃ知っているかのように、書く。というのも、採点する側も、明らかに間違いではないような事柄については、減点しにくいような気がするからです。実際にどのような採点がおこなわれているのかは全く分からないので、この策はなんの効果ももたらさないのかもしれませんが、全くわからないところをほそぼそと欄をうめたりするよりは、わかっている気になって、堂々と書き連ねたほうが、まだましなように思います。
とにかく、白紙で提出することだけは、やめましょう!これは入試全般の鉄則ですが、大学院入試が最もこれの効果が発揮できる入試のように思います。とにかく何かは書く。わからなくても書く。間違いだったら間違いだったで構いません。もしかすると、ほんの少しだけ部分点が入るかもしれず、それが合否を分けることになるかもしれません。
ちなみにですが、私の専門は社会学なので、社会学に関しての院試対策についての記事も書いています。もし社会学系の院に行こうとしている方がいれば、参考にしてみてください。
また、ロースクール(法科大学院)入試向けの、おすすめの問題集を集めた記事も書いています。ロースクールを受験する方や、法学や法律に興味のある人も、ぜひご覧ください!
二次試験――面接
二次試験まで進むと、そこから最終的に合格する人の割合はグッと増えます。つまり、面接では、一次試験ほどは落ちません。しかし、そこで落ちてしまう人もいるわけで、さらにわたしは大学の教員ではないため、最終的にどのような基準でそれが決まっているのかもよくわからないのですが、それでも気を付けたほうがいい点がいくつかあるので、ご紹介します。
ハキハキ喋る
大学院入試は、就活みたいだと言われることがあります。個人的には、就活の方が何百倍の難しいものだと思っていますが、それでも、自分を売り込むという点では、就活と似ている部分もそれなりにあります。その時に大事になってくるのは、とにかくハキハキ喋るということです。当たり前のことですが、音声として何を言っているのかよくわからないと、その内容を理解する以前に、聞く気が無くなってしまいます。文系で大学院に行きたいと考えている人は、自分の中で、はきはきとしゃべることに関して、苦手意識を持っている人もそれなりにいるような気がしますが(大いなる偏見です)、そこは出来るだけ克服すべきところだと思います。
絶対に突っ込まれる。大事なのは、その返答
面接では、主に院での研究計画などについて話すことになるわけですが、ほとんどの確率で、厳しい追及がなされると思います。言い方が難しいですが、学部生が書いた研究計画なんて、第一線の研究者からみれば、おそらく穴だらけ、穴しかないとすらいえます。
しかし、それは、どの受験生も同じです。待合室で周りの顔をみると、みんながめっちゃ出来そうにみえますが、みんな、それなりに穴があります。なので、穴があることや、それを追及されることは、別に恥じることでも、面接においてマイナスになることでもありません。そこで大事なのは、それに対して、どのように返答するかです。
まず、知らないことについて聞かれたら、知らないことを正直に伝えるべきだと、私個人は思います。そこで下手にうそをついて、さらに話が進んでしまうと、余計ついていけなくなります。
しかし、知りません、で終わるのも、あまりよくないでしょう。「知りませんでした。」「存在は知ってるけど、深くは知りませんでした」→「だけど、今お話を聞いて、確かに私の研究計画において、その○○は重要な要素になりそうなので、今後一からその○○についても調べていき、私の研究と接続できたらいいなと思います」のように、知らなかったけど、今後それを勉強し、さらにこの研究をブラッシュアップしていきます、みたいな風につなげていけると、いいと思います。「知らない」などのマイナスに聞こえることの後に、プラスのことをきちんと言えれば、正直に答えることも出来るし、さらに今後の研究に関しての有意義な情報を手に入れられることも出来て、仮にそこの研究科に落ちたとしても、もしかするとそれが得られたということ自体が、何よりの成果かもしれません。私自身も、面接ではかなり厳しい質問がいくつか飛んできましたが、上記のように対応して、(それが功を奏し?)なんとか合格することが出来ました。
だからこその“いいっぷり”
いろいろなことを追及されるからこそ、むしろ自分の押し出したいポイントについては、“言いっぷり”が大事になるように思います。これは本当に予想なのですが、先生たちの判断基準の一つに、何かしらの“面白さ”のようなものがあるような気がします。
それは、その研究の新規性や独自性のことかもしれませんが、とにかく、「なんか穴はたくさんあるけど、面白そう」みたいな感想を先生たちが持ってくれれば、万々歳なように思います。その時に、自分の研究計画で、一番推したいところを、ぺたーっと述べるだけでは、あまりその面白みが伝わらないかもしれません。
あとでどうせ色々と突っ込まれるのだから、面接で自分のターンのときは、堂々とした言いっぷりで答えるようにしましょう。さきほどの突っ込みへの返答の仕方と合わせて考えると、面接では、ある種の正直さと謙虚さ、しかしそれと同時にある種の堂々さが必要です。それらを組み合わせて、研究への指摘に対しては謙虚にかつ正直に向き合いつつ、それを堂々と語れるくらいの面白さを兼ね備えた研究をやろうとしている人、という像を目指して、私自身は面接に挑んだ記憶があります。
おわりに:いうて、緊張しかしない
以上のように、いくつか意識した方がいいポイントはあるのですが、正直、実際に面接に臨んでみると、ほんとにもう緊張しかしません。研究科によると思いますが、何人もの教授が自分の前に並び、めっちゃ真顔で書類をみているというのは、、こっちが勝手に圧を感じてしまうものです。
でも、そうやって極度に緊張するのも、おそらくほとんどの受験生が同じです。それ自体を焦る必要は、特段ないように思います。めっちゃ緊張した中でも、もし意識できる余裕があるなら、“正直にいること”だけは意識できると、とてもいいと思います。
向こうは何も、完成された人を求めているわけでもありませんし、就活でもないので、「この会社で使える人材か」みたいな観点でこちらも見てきているわけでも、おそらくないと思います。とにかく、「実直に自分の問いにぶつかることが出来る人」、どちらかといえばそういう人を求めているのだと思いますので、そこの部分をしっかりと無効に伝えることさえできれば、それでもう十分のように思います。
このほかにも大学院入試に関する様々なコツをまとめています!まずは↓の記事を見てみてください!
コメント