[3つのポイント]院試における研究計画書の書き方のコツ【文系大学院】

大学院入試対策

 今回は、研究計画書に何を書けばいいのか、そこで何を気を付ければいいのかについてみていきます。研究計画書がうまく書けるかで、今後の受験に関するいろいろがうまくいくかが決まっていくといっても過言ではありません。

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研究計画書とは

 出願書類の目玉といってもいいものが、研究計画書です。これは、大学院に入学して、いったいどんな研究をこれからやっていきたいのかを記したものになります。

 文字数や、フォーマット(一枚当たりの行数など)は、研究科によってまちまちです。ここで何を書いてほしいかは、募集要項などに乗っていることが多いので、その研究科で何を求められているのかを気にしながら考えていきましょう。また、研究科全体のポリシーなども参考になります。たとえば、「たしかな実証的な備えた研究を遂行できる研究者の養成」みたいなものがポリシーになっているならば、やはり研究計画書でも何らかの意味で「実証性」を推しだす必要があるかもしれません。こういったポリシーは、だいたい募集要項の最初の方に掲げられています。読み飛ばしがちなところかもしれませんが、あんがいためにもなるので、ぜひ読んでおきましょう。

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3つの大事なポイント

 さて、これをどのように書くかは、文字数やフォーマットだけでなく、その分野ごとの慣例などにかなり依存します。そのため、絶対的な正解というものがあるわけではないのですが、ここではまず、どの分野でも当てはまりそうな大事なポイントを、3つあげます

いったい何を明らかにしたいのか、を明らかにする

 研究のテーマとなることは、なんとなくそれに興味があります、ではなかなか厳しいと思います。もしその研究を本当に遂行することになったら、いったい何が明らかになるのか、言い換えれば、何がその研究における“問い”であるのかを、しっかりと明らかにさせる必要があります。これは言うのか簡単なのですが、実際に考え出すと、案外難しい作業です。誤解を恐れずに言えば、“問い”は出来るだけ小さく、限定的にした方が、うまくまとまるように思います。

それがわかってなんのメリットがあるのか(特に社会を生きる人々に)

 これは、特に文系の学問領域では設定しづらいものかもしれませんが、ここがしっかりしていることは重要です。大学院に行きたい文系の学生は、往々にしてその学問の“オタク”的な要素を持っていることが多いと思うので、自分のやりたい研究が、その学問領域(界隈)のなかでどのようなメリットをもたらすかについては、それなりに検討することは容易ではないかと思います。

 しかし、それがその自身の研究テーマにおける“問い”が明らかになることが、その学問やその研究者たちにだけではなく、社会を生きるすべての人々にとって、どんなメリットをもたらすのか、という意義についても考えなくてはなりません(少なくとも私は、そこをちゃんと考えなくてはだめよという指導を受けました)。この点は、分野や先生の考えに相当左右されるとは思います。

しっかりと、かつ簡潔に

 文字数の制限によりますが、研究計画書はそこまで長々としたものが要求されることは少なく、短い文字数に研究目的・意義、研究計画・方法、予想される結果、参考文献、などをつめこまなくてはなりません。その時に大事になるのは、これは当たり前のことかもしれませんが、一つ一つのセクションで、しっかり言いたいことはまとめつつ、それぞれの文を、簡潔にすることです。

 冗長な表現をなるべく避け、誰が読んでもわかり易いものを目指すことに越したことはありません。そういう意味では、自分のゼミの先生とかだけでなく、友人や家族などの専門家ではない人にみてもらって、わかり易い・伝わりやすい文章かどうかを判断してもらっても、もしかするといいかもしれません。

私が書いた研究計画書の場合

 以上が、どの分野にも当てはまりそうな研究計画書についてのコツです。ここからは、実際に私がどのような流れで計画書を書いていたのかをご紹介します。私の専門分野は社会学でしたが、これはおそらく他の分野においてもそこまで差はなく(少なくとも文系的な学問であるならば)参考にできる情報かと思います。

研究計画書の流れ

 私が受験をして受かったところに出していた研究計画書は、次のような流れでした。【問題意識・研究目的⇒先行研究⇒研究計画・研究方法⇒研究の特色・現状で考えられる問題点】という感じです。

 問題意識・研究目的では、研究の概要、その研究をやることになった問題意識や、それをやることで何を明らかにしたいのか、またそれを明らかにすることでどんないいコトがあるのか(意義)、ということを書いていきました。特に、先ほども触れましたが、その研究をする意義という点は少しボリュームを取って詳しく説明していました。先行研究という部分では、その研究をやるにあたっての先行研究にふれ、そこでどこまでが明らかにされていて、何がまだ明らかになっていないのかを明確にします。研究計画・研究方法では、その研究がどのような過程で進行していくのか、またその研究はどのような方法によってなされるのかについて書いていきます。

 さて、最後の研究の特色・現状で考えれらる問題点という部分です。ここまでの部分は、おそらく誰が書いた計画書にも書かれているいわば共通事項のようなもののように思いますが、この部分に関しては、必ずしも必要というわけではないと思います。そもそも、研究の特色というのは、先の学問的意義を記述するところと少しかぶっていたりしていたので、そういう意味では冗長的だった感も否めません。

不備があることを自覚しているというアピール..?

 しかし、この特に後者の現状で考えられる問題点というのは、個人的には入れたかった部分です。というのも、私自身は研究の能力、のみならずアカデミックな素養自体におそらくそれなりに欠けていると自分で思っていたので、それならば、せめて自分の構想している計画に対してこのような部分に不備があると思うというのを自覚しているよ、というのを伝えたかったのです。そもそも、学部生が書いた計画書なんて、おそらくみんな不備があるものですし、ここで自分が指摘した不備なんて、すべての不備のうちのほんのわずかな部分にすぎません。けれど、その一部分でも自覚しているよというのを伝えることで、自身の研究に対しての誠実差的なものをアピールできればなと当時は考えていました。 

 その方針が功を奏したのか、もしくはほとんど(まったく)関係なかったのかはわかりませんが、一応こうした流れで記述した計画書を提出した研究科に受かることが出来ました。よろしければ、参考に出来る部分がありましたら、参考にしてみてください。

さいごに

 研究計画書は、なかなか書くのが大変です。実際に提出しなければならない締め切りを見据え、余裕をもって執筆していきましょう

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